カーボン・マイスターの「チクチク人生劇場」

• 11/25/12:02

きのう、シンボリルドルフが死んだ


アタシは競馬をしない。　いや1度だけやった
26年前・・・


ときどき行ってた中野坂上のロータスという喫茶店
マスターが競馬新聞を出してきた

「やったことないから、わかんない」

「簡単だよ。２頭選ぶだけだから」

「そうなの？」


そのときは会社の事務所に住ませてもらってたのだが、引っ越さなければならなかった
まとまったお金が必要だった


あみだくじを作った


あみだくじ～　あみだくじ～　
引いて楽しい　あみだくじ～♪


あみだババアの唄を歌いながら引いた


「お、なかなかいいとこついてるじゃない」
マスターは、そう言った


「え？　じゃあ１万円買う」

「やめとけ、やめとけ！　５千円にしとけ！」


１万円買うというアタシを、マスターは１時間かけて説得した
　


翌日、肌寒い小雨だった。　だるかった
微熱が出てた


でもなぜか‘当たる’という確信と、行かなきゃいけないような使命感があって
ふらふらしながら電車に乗って、新宿の場外馬券売り場に行った


はじめて行った場外馬券売り場は、異様な雰囲気で怖かった
馬券の買い方がわからず、でも周りの人が怖くて聞けなかった


どうにか買った、1枚の馬券
シンボリルドルフ－ロッキータイガー　の1点買い


また、ふらふらしながら電車に乗って家に帰った


ベッドに横になって、テレビ中継を見てた
シンボリルドルフが大歓声に包まれながら１着


なんとなく、当たったような気がしたが
はじめて買ったので、確信が持てなかった


もし当たってたら、早く交換しなくちゃ無効になってしまうとおもい、
また、ふらふらしながら電車に乗った


よくわからないまま、窓口にたずねると
5千円買った馬券が、12万5千円になってかえってきた

「やっぱり、当たってたんだ・・・・」


どこにも寄らず、そのまま家に帰った
追いはぎに会いそうで、怖かった


そのお金で引越しが出来た。全額引越し代の一部に当てた
競馬をしたのは、後にも先にもそのとき限り


マスターは、そのまま競馬にハマらなかったこと、
あぶく銭として使わなかったことを、非常に評価してた


シンボリルドルフよ、あのとき　救ってくれて ありがとう・・・



　　　　　　　　　　　

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• 10/05/09:01
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