11.22.19:01 [PR] |
12.25.11:01 ドライカーボンの弱点 |
前回の記事で
ドライカーボンの難しいところはラミネート作業ではなく、主に
成型時における加熱に対抗するノウハウと、ドライ専用のメス型製作のノウハウにあるのです
・・・と書きました
じつは、この
「成型するのに加熱しなければならない」・・・というのがドライカーボンの最大の弱点なのです
物体は加熱すると膨張したり、収縮をおこしたりするのです
それはやっかいなことに素材ごとに異なっています
たとえば前々回話題の触れたフェラーリF40
あのボディは、金属パイプをファイバーでくるんで外装パーツを固定してたりしますが
あのような状況で加熱した場合、 鉄とCFRPでは、はるかに鉄の膨張率が激しいわけです
だからドアとかの修復をするときは、加熱させないウェット処理がベターなわけです
航空・宇宙のように、寸法精度の高い分野ほどそれがやっかいな問題となってはね返ってきます
俗に言う‘ウェットカーボン’では常温で硬化させてから、「ホスト・キュア」といって
完全硬化させるために温度をかけますが、40度くらいで充分なので問題にはなりません
ちなみに一般的なプリプレグ(←ドライカーボンの正式名称)は、120度硬化型です
80度硬化も扱ったことはありますが、それは特殊なものとなります
もうひとつ 一般的なプリプレグに使用されている樹脂(エポキシ)は、日光にあたると
黄緑がかった色に変色します (完全硬化する過程の現象)
これはその他の樹脂でも、塗料でもなるんですが エポキシ樹脂がもっとも顕著に現われます
予防策としてはクリア塗装をするしかないんですが、クリアの‘つるつる・てかてか感’が嫌いな人には
「なるべく屋内に保管してください」としかいいようがありません
まあ、そうなったらカラーリングしてしまう・・・というのもひとつの手ですが
そのあたりがドライカーボンのウィークポイントでしょうね・・・
そのため私は仕事の合間をぬって、温度をかけない新しい成型技術のトライしてます
仮称‘SV成型’
一応技術者なんで、そういう基礎研究もしとかんと・・・ね(笑)
* * * * * *
レッド&カーボン: http://carbon.art-studio.cc/ click please!!
PR
- トラックバックURLはこちら