カーボン・マイスターの「チクチク人生劇場」

• 11/27/05:00

今回はゲルコートの話


エアロパーツを購入される側に立って 「ゲルコートとはなんなのか？」 を

日本一わかりやすく書いてみる




ゲルコートは、ウチのHPの検索キーワードの上位にくることに最近気づいたんだけど

その理由がよくわからなかった




おそらくFRPパーツ購入に際して、必ず記載されている

「ゲルコート仕上げ」 の意味がわからないからではないのか？


そう推測した。　だから購入前の人に説明するつもりで解説します






結論から先に言うと、「ゲルコート仕上げ」 と注意書きしてあるのは

「この製品は未塗装だから、塗装は購入後 塗装屋さんでやってね」・・・という意味です




ゲルコートは、白とか黒とか色がついているので塗装済と勘違いされないように

「塗装は、別途お金がかかりますよ」 と付け加えてあるわけです




FRP製品のゲルコート仕上げの出荷状態というのは

割り型の部分が ＃２４０程度のペーパーがけがしてある状態のまま出荷します




これは車の場合、各自のボディカラーに合わせて塗装されるときの下地処理で

耐水ペーパーがけ→サフェーサー→耐水ペーパーがけ→色付け→磨き


という段階をふみます。このとき割りのペーパー目も一緒に処理してもらうのです




それはあくまで塗装をしてもらえる前提なのですが、色付けする必要のない

カーボンパーツは塗装しない人が多いのが実状のようです




「別途お金がかかるならこのままでいいや」 という人が多いとおもいます


お金がかかることなので

クリア塗装をするか しないかは各自の判断で、こちらが口をはさむ権利はありませんが

メーカー側はクリア塗装されることを前提として仕上げ処理をしているのが一般的です




FRP製品は特性上、いちど本体に仮合わせしてから塗装するのがベターなので

メーカー側で塗装済にすることはほとんどありません






ではゲルコートはなんのためにあるのか？　という話に進みます




そもそもFRP誕生時には、ゲルコートはありませんでした

ゲルコートは必要性に応じて、あとから生まれたものです


それがゲルコートの本当の存在理由です




FRPは、「ファイバー・レインフォースド・プラスチック」 の略称です

つまり 「繊維で強化された樹脂」 という意味です。　だから強化プラスチックともいいます




繊維と樹脂を混ぜ合わせてメス型内に張り付け、固めて製品にします

ですから、自由な曲面を作ることができます




しかしメス型から抜いた製品の表面は、繊維と樹脂が混ざった状態がむき出しとなっています

これでは塗装するにはザラザラしてて、細かい気泡もむき出しなので具合が悪い・・・





ならば、あらかじめ表面に ‘ひと膜’樹脂をコーティングしてけおばいいじゃないか

・・・ということで、メス型内に樹脂を吹き付けてからFRPを張り付けることにした


これがゲルコートの誕生です




樹脂をメス型に吹き付けるためには、たれないように‘とろみ’をつける必要があった（揺変性）

つまり‘ジェル状’にする必要があった



ジェル＝ゲル

ゲルをコーティングするからゲルコート






余談ですが　　昔、お客さんから 

「コルゲート仕上げでお願いします」 と言われたことがありました





・・・ゲルコートです。　よろしく（笑）





話を戻します

その後、それに色をつけたバリエーションも増やしていった





色はついていても、ゲルコートは塗装をきれいにするために誕生したものであって

塗装そのものではない・・・ということです。　わかりましたか？


（※クルーザーなどは大きくて塗装が大変なので 

色が付けられることを逆手にとって、塗装と兼用にしてたりします）




ウチのHPのFAQにも別の説明で書いてあるので、合わせて参考にしてください


ではまた





　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

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• 06/28/11:02
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