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カーボン・マイスターの「チクチク人生劇場」

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11.25.13:44

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  • 11/25/13:44

09.30.16:15

ドライカーボンとウェットカーボン/その2

その1に 引き続き、ドライカーボンとウェットカーボン/その2 です

前回同様、一般のクルマ・バイク好きの人に伝わるような説明、
そして関わりのある話をします


その1で、ドライカーボン、ウェットカーボンとはなんぞや?
という話をざっくりしました


ウェットカーボンの発展形がドライカーボンなわけですが
そもそも、F.R.Pとはなんぞや? ・・・というとこからお話します

意外と答えられない人も多いんではないでしょうか?


F.R.Pとは

F:fiber =繊維
R:Reinforced  =強化された
P:Plastics =プラスティック


・・・の略称です

つまり、ガラスでも、カーボンでも、ケブラーでも 
繊維であれば、すべてF.R.Pに属します


カーボンは、C.F.R.Pと表現されたりもしますが
カーボン+ガラス+ケブラーのような、3層構造を正確に表現する表記法はありません


さらに言えば、カーボン×1+ガラス×2+カーボンケブラー×1 
・・・のような商品を正確に表す表記もありませんし、
部分的に積層増しした場合などをすべて表記することなどは不可能です


レーシングカーは別として、カー用品などは
表面にカーボン、裏側はガラス繊維のケースが普通ですが
それらは単に‘カーボン’とよばれてます



F.R.Pとはなんぞや・・・・の呼び方の話はここまでにして
今度は、‘どういうものなのか’という説明に入ります


まず樹脂(プラスティック)ですが、これは基本的に
主剤+硬化剤を混ぜて化学反応をおこして、液体を固体に変化させるものです


それだけでは もろいので、繊維に浸み込ませることにより強度を得ます


それを平らな板に貼り付ければ固まって、平板となり
まがったパイプなどに貼り付ければ、カーブした板になります


つまりバンパーを反転した型の内側に貼り付ければ
バンパーの形ができるというわけですね

これがF.R.Pバンパーです


純正のP.Pバンパーなどとちがい、
繊維が入っていることにより、非常に高強度を得ることができるわけです


ウェット成型では、ローラー&ハケで繊維に樹脂を含ませ、メス型に貼り付け、
さらに脱泡ローラーという道具で気泡を抜き、完全に浸み込ませます


ドライの成型では、あらかじめ樹脂が含まれていますから、それをメス型に貼り付け
真空バッグで強制的にメス型に密着させ、気泡を抜き、
なおかつ発生するアウトガスも同時に抜きます


繊維は曲がりにくい性質を持っていますので、強制的に密着させるバッグ成型のほうが
山の部分、谷の部分がきつい形状でも、有利です




それともう1点、大きなちがいがあります

一般的に
ウェットカーボンでは、不飽和ポリエステル樹脂が使用され
ドライカーボンでは、エポキシ樹脂が使用されます


これは、ウェットカーボンには不飽和ポリエステル樹脂が向いていて
ドライカーボンは、エポキシ樹脂に向いているからです


なぜそうなのかは、作業者でない一般の方には関係のない
専門的な話なので割愛しますが
ドライカーボンのほうが激しく黄緑色に経年変化するのは、そのせいです


また、ドライカーボンにはゲルコートがありません
それも上記の理由と関係していて、エポキシ樹脂はゲルコートに不向きな材料なのです


ストリートパーツには、ゲルコートは重要な役目を果たしています


ドライカーボンのボンネットの塗装が、著しく劣化を起こし、
水虫のような状態に陥るのは、ゲルコートが使えないことが大きく関係してます


ドライカーボンとウェットカーボンのちがい/その2は ここまで






       *     *     *     *     *     *



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