カーボン・マイスターの「チクチク人生劇場」

• 11/26/19:24

アタシが27歳のとき、富士スピードウェイのレース村にいた

現在のドナドナスターズのメンバーと、同僚として
フォーミュラカー、Gr.C、Gr.Aなどを走らせる会社に在籍したいた

会社の専務をしていたAさんが
「納車に行くから一緒に行く？　近藤さんと同業者だよ」
と、連れられて行き　出会った人物がマッド杉山だった

40代以上の車好きなら知ってる人も多いとおもう
こんなカスタムカーを作ってショーに出展し、世間をあっといわせた人だ


FFのCR-Xをミッドシップに改造した車だ


彼のファクトリーに到着した

「まぁ、座れ」　と、缶コーヒーを差し出され世間話
彼は44歳だと言った

ショールームにフォードGT40のレプリカが置いてあった
彼が本物から型取りをしておこしたレプリカだった

「あぁ、これか。　これで○○の有料ゲートくぐってやろうとおもってな」

マッド氏は、ゲートのバーが98cmで、これが96cmだから
「そのままぶっちぎれる」と言って、高笑いした

とんだ不良オヤジに、あんぐりした

「これ、売るんですか？」と、たずねると
「売れれば売るけど、基本的に俺が乗りたいから作った」と言った

話はまだ続く


「俺はこの仕事を40になったら辞めようと決めてた」

「は・・・？　やめてどうするんですか？？」

「日産プリンスを作る」

「日産プリンス？」

アタシはディーラーしか思い浮かばなくて、ポカーンとしてたら
どうも昔の車の名前らしい

いまググってみたら、どうもこの車のことみたい


このレプリカを作ると言う


おなじじゃねーか（－－）　　
アタシは内心そうおもったが、口には出さなかった

彼はオリジナルを作ることより、レプリカが好きみたいだった


「それ作って売るんですか？」と、たずねると
「売れれば売るけど、基本的に俺が乗りたいから作る」と言った

「･・・・・・・・・・・・・・・・・。」

「仕事なんてのはなぁ、やればやるほど夢から遠のくんだよ」
「だから従業員に全部くれて、クビにした」
彼は、そう言った


いろいろ話こんだ
Aさんが「そろそろ戻りましょうか」というので会社に戻った

帰り際、「ワーゲンのタイプ２に乗ってる」と言うと
「これ、もってけ」と、おみやげにデロルトのツインキャブもらった

会社に戻って、メカニックでエキゾースト職人のイワさんに
「キャブもらっちゃった～」と見せびらかすと

「えええ～っ！　もらっちゃったのおお～（＠＠」

と、言われる

イワさんは、「もう二度と行くな」と言う


以前、イワさんも遊びに行って　なんかもらってきて
その次遊びに行ったら監禁されて、朝まで溶接させられたそうな

ましてFRP職人のアタシが行ったら、「必ず拉致されるから行くな！」 ・・・と
「近所の駐在の、勤務中のおまわりさんまで手伝わせるんだから！」 ・・・と

（－－）　　（－－）　　（－－）　　（－－）

アタシは素直なので、イワさんの忠告に従い2度と会わなかった


その後、新幹線のモーターを搭載した電気自動車とか作って
ソルトレイクの最高速チャレンジに出るとかいって、ニュースステーションに出てるのを観た

とにかくやることがハデな人だった
人から聞いたところによると、その最高速チャレンジの結果ですが

ソルトレイクって名前の通り、塩の湖なんで
「感電してスタートすらできなかった」・・・とのことｗｗｗｗ


とにかく破天荒な人で、世間からいろいろ情報を聞いたりした

従業員がいた頃、経理をやってた人が、入金がないので先方に問い合わせすると
「それ、社長がウチにあったエンジンと相殺しちゃったよ」・・・とかｗｗ

伝説がたくさんあった。仙人と呼ばれていた

なんでそんな好き勝手なことできるのかは、タネがあった
自分の会社の大家が、マッドと同級生だったのだ

「うんとじゃにゃーけど、ちっと金持ち」・・・だそうだ

ちなみに大家はすごい土地持ちらしくて、地元人の話だと
「あの辺、見えるトコ全部あの人の土地」・・・だそうだ

ちっとの意味は、おそらく自分と比較してだろう


つまり仙人は、道楽できる人だったのだ
どうりで。。。。


今はほんとに道楽の主催者となり、K-4GPなどを開催している




そしてアタシは、あの当時のマッドの年齢を超えている

※マッド杉山氏　2013年3月30日永眠。享年65歳
　　ご冥福お祈りします


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• 12/21/15:01
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